シルエット
雨が降った
傘もささず帰る
放課後
地面に映る自分の姿
コツコツと
規則正しいリズムで
足音が響く
辺りは暗くなって
電柱に照らされるあたしの姿
後ろから聞こえてくる
あの人の声
足取りが速いあの人は
すっとあたしの横を
通り過ぎた
その瞬間
電柱の光で
ほんの少し
ほんのちょっとの間
影が
相合傘してるように
見えた
ほんの1秒だったのかも
もっと長い間だったのかも
あたしは
夢を見た
あの人に
近づいた
瞬間だった